5月13日~18日まで西武プリンスドームにて行われていました第18回国際バラとガーデニングショウでは全国各地から多くのお客様にご来場いただきまして、ありがとうございました。
今回、弊社代表デザイナーのマーク・チャップマンが主催者側より依頼を受け、「クリスチャン・ディオール香りの庭」を作庭しました。お客様をこの会場で迎えるにあたり、半年ほど前から計画を練り、話し合いを重ね、生産者の圃場を回り準備をしてきました。
デザイナーの中には様々なスタイルの方がいますが、マークはデザイン、スケッチから植物の調達、設置工事、メンテナンス、お客様のお出迎え、片付けを全て行います。
この日は設営初日、ドーム内のフロアーを敷いて、墨だし、防水シート、構造物の大まかな部分(大工作業)が終了したら、次はマークの植栽部分のスタートです。

躯体準備中の「クリスチャン・ディオール香りの庭」 今回、インパクトのあったヤシの木(シュロ)
今回、港町グランヴィルにはクリスチャン・ディオールの生家があります。
当時、ディオール家の別荘として使われていた場所で、このピンクとグレーの館は今でもディオール博物館として残っています。海沿いの断崖絶壁にある庭を表現するために書物や過去の映像、彼の残してきた歴史などをリサーチしました。約100年前に撮られた写真からも何が植わっているのか読み取り、棕櫚の木、唐松、赤松、アカンサス、ゼラニウムなどを配置しています。

オレガノも敷き詰められ、緑が入ります マーク自らがフラワーアレンジして内装を飾ります
「今回のお庭はマークさんにしては珍しい赤の色使いですね」と声をかけて下さった方が多くいました。マークのお庭をご存知の方々だったのでしょう。ガーデンデザイナーはお客様と一緒に庭造りをしていくために、自我を通しすぎないようにすることも大事だと思います。
もちろん、デザイナーの持っている知識の中で、「絶対こうした方がいいですよ!」と言うことはあります。しかし、今回はクリスチャン・ディオール社のイメージや彼が過ごしたアール・デコ時代、彼の庭をコンパクトに再現するためだったこともあり、赤のゼラニウムや彼にささげられた赤ピンクのバラ、クリスチャン・ディオールを配置し、表現することが大事な要素でした。

準備が終わり、12日の内覧会を迎えます コンサバトリーから庭を眺める設計
部屋からの眺めを楽しんでもらえるように、コンサバトリー内にはアールヌーボ調のすずらんのランプや猫の置物、アールデコ調の家具、ディオールが被っていた同じ年代物紳士ハットをマーク自らが取り寄せたり、簡単にフラワーアレンジメントもこなすマークでした。

フランス・ノルマンディー地方にあるグランヴィルの館 CDはChristian Diorのロゴ
クリスチャン・ディオールが亡くなった今でも、世界中の彼のブランドでは緑を基調にディスプレイを行っています。ロンドンにあるディオールハウスでは現代風に洗練された雰囲気で、CDのロゴ内に緑を使い、彼が植物を愛した想いをつないでいるようです。
今回、「クリスチャン・ディオール香りの庭」にはオレガノ、タイム、ミント、ラベンダー、バラ、レモンバーベナなど、香りを発する植物が多く入っていました。

ローズ・ドゥ・グランヴィルも庭の中に... 寬仁親王妃信子殿下とお庭、バラの会話を楽しむマーク
12日の内覧会では開会式後に寬仁親王妃信子殿下がマークの庭の前で取材陣の撮影のもと、お庭を楽しまれ、マークの作庭した「クリスチャン・ディオール香りの庭」にも訪れていただけました。マークが「あちらがクリスチャン・ディオールと言う名のバラですよ」とお話しすると、英語で「私の庭にもクリスチャン・ディオールのバラが植わっていて、今まさに咲いているのよ」との会話があったようです。
こちらの画像は22日(日)朝5:45からフジテレビで毎週放送のある「皇室ご一家」で、マークと妃殿下が会話されながら、お庭を巡られている様子が放送されたようですよ。
先週18日(水)に最終日を迎え、ショウは閉会しましたが、企画・運営・実行・スポンサー並びに関係各社の皆さま、マークの元で一緒に働て下さった方々、ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
これからも皆様に評価していただけるお庭づくりをマーク、スタッフ一同目指して参ります。