今日はしばらくぶりの英国ガーデン事情です。
先日、弊社がお手伝いしたガーデニング誌「ビズ」特集としても触れた「ガーデンセラピー」。
個人的にも興味のある分野ですが、英国での"英国らしい"事例を見かけたのでご紹介します。
今年初夏、イングランド北西部・マンチェスターで、小児患者専門の病院の屋上に、患者(子供達)のためのルーフトップガーデンが創られました。この病院には、学校の代替となる教育プログラムがありますが、このガーデンは患者への植物を通したセラピーとして、そして植物のある遊び場としても機能しています。屋上の遊び場は以前からあったものの緑は無かったので、病院側は「庭(植物)」がもたらす治癒的な効果に期待しているそうです。
海外ではガーデン・セラピー、Therapeutic Horticulture(園芸療法)は、学問としても確立され、数多くの取組みがなされています。地元大学のガーデニングソサエティとブック・フェスティバル、協力企業のスタッフの協同で創られたこのガーデンの面白い点は、治療的側面だけでなく、植栽されているのが「シェークスピア作品に登場する植物たち」だということ!
みなさん、シェークスピアの四大悲劇「『オセロ』に何故レタスが登場するのか?」ご存じですか??
子供たちは「真夏の夜の夢でのタイム」「リア王でのローズマリー」「冬物語でのラベンダー」など、ストーリーにおける植物の役割を、その植物たちに直に触れながら読み深めることができるのです!
日本でも俳句における季語ほか「文学と植物」は切っても切れない関わりがありますよね。この取組み、植物によるセラピー(治療・癒し)だけでなく、子供への教育、楽しさも備えている点で、日本でも是非取り入れてほしい事例です。
弊社は英国のガーデンライフスタイルをご紹介していますが、流れゆく季節と季節ごとの植物や実りを楽しみながら暮らすことは日本でも本来は当たり前のライフスタイルであり、それが「ガーデンセラピー」の根本なのかな、なんて思ったりします。
不安定な天候で夏バテ気味な方、こんな時にこそ植物に触れて癒しと元気をもらってほしいです‼ また、お子さんの宿題を手伝っている親御さん、物語と植物についての自由研究は、きっと手伝う自分自身も癒される良いテーマになると思いますよ!