クリスマスとボクシングディ(Boxing Day)*1)が終わり、騒がしさが一段落したイギリス国内ですが、クリスマス前からの豪雨により洪水が起こり、ケント州やサリー州などの南部では電気やガスが止まり、散々なクリスマスを過ごした家庭が多くあり、今でも続いています。
マークの出身地であるリンカーンシャー州でも川の近くや土地の低い場所では洪水で車や住宅が水に浸かっている箇所があったようです。
マークの家族が住む地域では被害がありませんでしたので、ご安心下さい。この場をお借りしてご報告させていただきます。
さて、一年に一度だけのクリスマスを家族揃って過ごす英国のクリスマスですが、英国のmum(マム=お母さん)達が作る伝統のデザートBread & Butter Pudding(ブレッド&バター・プディング)*2)をご存知ですか?
少し歴史をさかのぼってご説明すると、電化製品がまだ現在のように発展していない昔、今の様に食料が溢れていなかった時代に古くなったブレッド(パン)をスライスして、貴重な砂糖を少量ながらも使い、その他の材料と組み合わせ、ミルクを注ぎ、オーブンに入れてデザートを作ったのが始まりです。
バターを塗ったスライスパンをレイヤーのように積み重ね、卵を溶いたミルクを注ぎ、少量のシナモンと砂糖をかけてオーブンへ
程よい色合いに焼けたBread & Butter Pudding(ブレッド&バター・プッディング) カスタードと一緒に召し上がれ
食べ物を無駄にしない英国主婦たちの知恵が繁栄されたデザートだったようです。
メインの後のデザートとしてはちょっと、リッチなデザートですが、戦後、食糧不足で今の様に食べ物が豊富ではなかった時代の子供たちが楽しみにした伝統的なデザートメニューの一つでもあります。(特に60歳代以降の英国人には思い出深く、大好物な方が多いようです)
*1)ボクシングディ(Boxing Day)はクリスマスの翌日である12月26日とされ、昨今では、休日となっています。その昔、お屋敷に使えていた使用人や召し使い達が"Christmas box(クリスマスボックス)"と呼ばれるギフトをボスや雇い主達から受取っていた日とされています。ボクシングディは英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど英国連邦に加盟している一部の国で採用されています。
*2)ファミリーによって、レシピが異なるようで、手作りmince meat(ミンスミート=保存食)やドライフルーツを間に詰めて焼き上げる場合もあり、各々の家庭で味が異なるようです。