ヘレボラス (Helleborus)

今日は「春はすぐそこにある」この時期に足元を飾ってくれる可愛らしい宿根草、ヘラボラスのご紹介です。
この時期に貴重な花を咲かせてくれるヘレボラス達は積雪が少ない関東から南西の庭を飾ってくれる貴重な常緑宿根草の一つでもあります。

マークのデザインの中ではオリエンタリスやXステルニー系、フェティダスが入っていたりしますが、園芸店などで良く見かけるのはオリエンタリス系が多いかな~?と思いますが、種類や園芸品種によって花の色や大きさ、一重なのか八重なのか、または葉の形、色合い、高さなど全く違いますので、お買い求めの時は注意して下さいね。

一般にクリスマスローズと呼ばれていますが、そのクリスマスローズと呼ばれる理由や詳しいお話についてはこちらをどうぞ↓

過去記事:[クリスマスローズ&レンテンローズ (Helleborus spp.)]


以前にもご紹介しましたが改めて・・・。
こちらの植物は皆さんがよくご存知のクリスマスローズ(日本流通名)と呼ばれているものですが、実はイギリスを含むヨーロッパではこのHelleborus orientalis(ヘレボラス オリエンタリス)の品種は2月~3月頃のキリスト復活祭時期(Lentenレンテン=受難節・復活祭前の40日間 )に咲くことからレンテンローズと呼ばれています。

クリスマスローズと呼ばれる品種はHelleborus niger(ヘレボラス ニガー)の事だけを英国流通名で表します。
nigerとはラテン語で「黒」と言う意味。そうなんです、この品種は根っこの部分が黒いんです。
こちらの品種はクリスマスの時期に真っ白な花を咲かせるので、クリスマスローズと言う名前が付きました。

ここ最近、日本でもイングリッシュガーデンの流行で様々な植物や園芸品種を見かけることが多くなりました。
しかし、ラテン名=学術名で表記されていないため、見た目だけで判断されることも多く、流通名が混在しています。
専門家の方や園芸雑誌、販売店でさえもレンテンローズの品種をクリスマスローズとして明記しているため、日本の園芸業界や一般ではそのように呼ばれていることも否定できない事実です。
流通名は地域が変われば名前も変わる可能性があり、誤解を生じることも、入手したかった品種が確保できないことも、剪定(手入れ)方法が違う場合もあります。
マークはいつも講演会や講習会で学術名をしっかり覚えることを述べています。
どうぞ、皆さんもこの機会に学術名とやらに興味を持ってみてはいかがでしょうか?

ちなみにこちらは...

Helleborus_argutifolius_01.JPG     Helleborus_orientalis_01.JPG
Helleborus argutifolius(ヘレボラス アーグティフォリアス)            Helleborus orientalis(ヘレボラス オリエンタリス)


この時期であってもヘレボラスは下向きにうつむきかげんに寄り添って、花を咲かせる可愛らしい植物です。
皆さんも各品種の特徴を活かして、この時期のヘレボラスの花を楽しんでみて下さいね。

英国東部リンカーンシャー生まれ。国内4つの専門カレッジでデザイン、園芸を学び資格習得。長野県の英国式庭園ヘッドガーデナー及びデザイナーを経て、ブリティッシュクリエイティブデザイン社設立、2011年よりマークスガーデンアートを展開。(マークからのご挨拶)

英国東部リンカーンシャー生まれ。国内4つの専門カレッジでデザイン、園芸を学び資格習得。長野県の英国式庭園ヘッドガーデナー及びデザイナーを経て、ブリティッシュクリエイティブデザイン社設立、2011年よりマークスガーデンアートを展開。(マークからのご挨拶)


英国の専門カレッジでデザイン・園芸を学び、チェルシーフラワーショー金メダル獲得メンバー等を経験。2008年入社、英国で得た知識や感動を伝えたくてブログを書く日々。好きな庭仕事は雑草取り。

ガーデンデザイン・ランドスケープデザインの提案・設計・施工・維持管理、ガーデングッズ/ファニチャーの輸入販売等を全国各地でご提供しています。

書籍:小さなスペースをいかす美しい庭づくり

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