夏の平日、ロンドン・シティは素敵な雰囲気で、緑にあふれた空間になる。
その日は雨が降ったり、晴れたりの変な天気。太陽が顔を出した頃、地下鉄でセントラルに到着し、地上に出ると公園内でサマーイベントが行われていた。
イベントの周りの植栽(プランティング)もとてもきれいでメンテナンスが行き届いている。
庭や植物達はその後のメンテナンスでどんな庭か、愛されている庭なのか、オーナーがどんな人なのかわかる。日本ではメンテナンスに手をかけられないことが多く(主に予算的な問題とその時期だけ興味をもったガーデニングであった事など...)、庭の施工に携わって、いいデザイン、良い品質の植物を取り寄せて植栽しても、その後のお庭を拝見すると少しガッカリ(残念)に思う事がある。イングリッシュガーデンは施工した後の生長過程(経過年数)を大事にする。
お庭は家と同じくメンテナンスができないと荒れていき、不動産の価値も下がっていくのでイギリスの家庭ではメンテナンス(お手入れ)には力を入れている。
シティでは緑が少ないながらも、建物の周りやフェンス、壁際にポットを置いてモダンなプランティングが目立つ。
東京のビル群にもこんな感じで、ちょっとした息抜きをして欲しいな~と思う。
昨今の東京丸の内辺りではモダンなデザインが取り入れられているようですが、ちょっとしたセンスが足りないかな~というか、メンテナンス方法が違うと言うか・・・。やはり、伝統と重み、メンテナンス方法が違うというか、ロンドンの歴史というか...。日本も長い目で庭が落ち着くのを見守っていく、right plant & right placeの精神を理解しているガーデナー、ランドスケープ・デザイナーが職業名だけでなく真剣に提案していくしかないですね。
写真の奥からきれいな丸型に刈込まれたトピアリーですが、写真を撮ったときにガーデナーの姿が見えない。
刈込みの途中でガーデナーはランチを取りに行ってしまったらしい。
忙しい場所、ロンドンの金融の中心地シティですら、のんびりとした時間が流れているような気がする。公園の周りではスーツ姿のエリートッぽい素敵なイギリス紳士達が太陽と緑の下でランチを楽しんでいた。