イギリスの不思議(車の運転編)

はっきり言って、UKの人(もしかしたらヨーロッパの人と言った方がいいかもしれない)の運転はものすごいとばす!!

UKに来た当初、助手席・後部座席に乗っていてかなり『怖い』と感じた。車好きで運転好きな方であれば、直ぐにそのスピードにも慣れるでしょうが、あまり車が得意ではない日本人女性がタクシーやイギリス人が運転する車に乗るとかなり顔が引きつっているのがよくわかる。
だけど、この運転には幾つか理由があって、自分がUKで運転するようになってから『なるほどな~』と感じたことが多くある。

まず一つ目、それは田舎道・・・日本での田舎道は制限速度 時速40~50キロくらいだと思うけど、こちらでは曲がりくねっている田舎道なのに時速50~60マイル(80キロ~96キロ)が当たり前。民家が点在している所や村に近くなれば30マイルや40マイル(約48キロ、64キロ)に表示がでてきて、減速になるし、スピードカメラも設置されていたりするけど、それでも結構スピードが出てる。
可哀想な事に田舎道ではよくウサギや狐が飛び出してくるから、道路脇に動物が跳ねられているけど、制限速度がノロノロ運転を求めてないのだから仕方ない・・・
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二つ目、高速道路・・・UK国内たった一つの高速道路M6の一部区間を除いて全て無料、車線も大体3車線(上り坂では4車線)。UK以外のEU諸国からの車(左ハンドル)も多い。ここでの制限速度は表示されてない。もちろん道路交通法では70マイル(約112キロ/一般車両の場合)と決まっているけど、それでも日本の制限速度より速い。

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しかも、この70マイルというのは数字での標識ではなくて白地に黒色の斜め線が入っただけの標識。

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これはヨーロッパでは「インターナショナル交通法」で決められているnational speed limit(ナショナル スピード リミット)標識です。
(この標識が一般道にある場合とdual carriageway=デュアル カレッジウェイ=2車線にある場合とでスピード制限が違います)

UKの人達は制限速度を守って運転している所と守っているけど、知り尽くしている道だから、飛ばすところは飛ばしましょ~・・・・という境がはっきりしている。しかも、後ろからあおられる事も平気で2台抜かされる事も当たり前・・・。もちろん、高速道路内に動物が侵入とか工事中とか事故車が路肩にあるとか、濃霧で制限速度が40~50マイル(約80キロ)、更にはもっと減速になることはよくある話。

日本人にとって同じ右ハンドルで運転しやすい英国だけど、スピードを出す所と出さない所のメリハリを求められるのは少し日本とは違う所かな・・・? 英国での運転に慣れてしまうと、恐ろしい事に日本での運転が遅く感じてしまう。

人口や車の量が圧倒的に多いから日本ではアメリカ寄りの道路法を使った方が正解なんだろうけど、UKやヨーロッパでよく見られる交差点(roundabout/ラゥンダバウト・・・英国の場合、右側優先で信号なし。一部大きなラゥンダバウトには信号機があり、他ヨーロッパの左ハンドル圏内では逆パターン)とかで信号をなるべく減らして、消費電力や無駄な赤信号待ちを節約する事は環境を考えた上でも効率の良い方法だと思う。

恐らく、開国と同時に自動車と言う文化が日本に英国から入ってきた際は英国式が多く、戦後アメリカの文化を多く取り入れた事により、右側ハンドルが日本の社会で残り、信号や道路標識はアメリカ式を採用していったのだろう。

そんな過去の歴史を探りながら英国と日本を比べてみるのも面白いかも・・・???

英国東部リンカーンシャー生まれ。国内4つの専門カレッジでデザイン、園芸を学び資格習得。長野県の英国式庭園ヘッドガーデナー及びデザイナーを経て、ブリティッシュクリエイティブデザイン社設立、2011年よりマークスガーデンアートを展開。(マークからのご挨拶)

英国東部リンカーンシャー生まれ。国内4つの専門カレッジでデザイン、園芸を学び資格習得。長野県の英国式庭園ヘッドガーデナー及びデザイナーを経て、ブリティッシュクリエイティブデザイン社設立、2011年よりマークスガーデンアートを展開。(マークからのご挨拶)


英国の専門カレッジでデザイン・園芸を学び、チェルシーフラワーショー金メダル獲得メンバー等を経験。2008年入社、英国で得た知識や感動を伝えたくてブログを書く日々。好きな庭仕事は雑草取り。

ガーデンデザイン・ランドスケープデザインの提案・設計・施工・維持管理、ガーデングッズ/ファニチャーの輸入販売等を全国各地でご提供しています。

書籍:小さなスペースをいかす美しい庭づくり

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