皆さんは植物の名前に秘められた想いや背景などを考えたことはありますか?
もちろん、その花、色、香りが魅力的で人気の植物もありますが、こちらのブログでは日本の皆さんに作出者の想いやイギリス人であるマークが知っていること、またはイギリスという国、ガーデニングライフなどを少しずつご紹介していきたいと思っています。
今日はMacmillan Nurse(マクミラン・ナース)というバラについて...
グループ:シュラブ
家系:モダンシュラブ系(小さめ)
花房:オールドファッション・ロゼッタスタイルの大き目の花房
花色:白・クリーム花 (稀にピーチ色が出る場合有り)
葉色:濃緑光沢あり
四季咲き(関東地方基準)
作出:1998年 Peter Beales(ピーター・ビールズ)
日本のバラ愛好家やガーデニング愛好家には人気の品種ですが、この名前の由来についてご存知ですか?
イギリスにはMacmillan cancer support(マクミラン・ガン財団)により資金サポートを受け、NHS(ナショナルヘルスサービス:イギリスの国の医療サービス)によって雇われて働く緩和ケア専門の看護師がいます。その看護師たちをマクミランナースといいます。
作出者のピーター・ビールズ氏はこのバラを販売する際、収益金の中からそのガン財団に1£の寄付をしています。バラの育苗家としてイギリス国内でも世界的にも有名な方ですが、ご自分がどんな立場からどんな形でチャリティ(義援寄付)ができるかを考え、想いを載せてこのバラを世に送り出したのです。
第10回国際バラとガーデニングショウでピーター氏の代わりとなって創りあげたシンボルガーデン「五感で楽しむクラシックローズガーデン」(ピーター・ビールズ氏デザイン、マーク・チャップマン植栽・施工担当)
(写真は「国際バラとガーデニングショウ」HPより)
こちらの庭を植栽・施工している間、マークにはそのピーター氏やその他の作出者が命名した各々のバラへの想いを知っているからこそ、彼らの代わりとなって一つ一つの植物達の特徴を活かしてあげられるように配置や高さ、誘引、他の植物との組み合わせなどを考えて施工していました。
皆さんもバラを見かけたときにはそのバラの名前の由来に気を留めて想像してみてください。